【レセプションパーティー】
■1月18日（土）17:00-20:00 ※準備のため15:45-16:30は一旦閉廊致します。
【トークイベント】
■1月25日（土）16:00-17:30
「ドキュメンタリーとしての写真、その可能性」by 藤原敦 × 金子隆一（写真史家）
※準備のため14:45-15:30は一旦閉廊致します。
■イベント詳細と参加ご予約はShop Page にて。（調整中）

Arbroath all imagesⓒAtsushi Fujiwara

1989年、「昭和」が「平成」になった年、僕はイギリスへ旅立ち2年暮らした。今思えばバブル経済に沸いていた日本が息苦しかったのかもしれない。
2019年、30年が経ち「平成」が「令和」になった。僕は小さな車を借りて最初に暮らした南の街マーゲイトを出発し北の果てまで旅をすることにした（『2200 Miles』序文より）──。

写真集『南国頌』(2013)、『蝶の見た夢』(2014)、『詩人の島』(2015)、『蝉丸』(2017)。これまで自らのルーツや、日本という島国の歴史、地域に息づく物語に耳を澄まし、その記憶の深層に向かうドキュメンタリーを手掛けてきた藤原敦。
2019年7月、写真家は30年前に暮らしたイギリスを再訪し、新たな地平を目指しておよそ1カ月で2200マイルを駆け抜け、撮った……。そうして生まれた『2200 Miles』は、これまでの内的な探求とはひと味違う、旅の空に像を結ぶ心象風景のドキュメンタリーです。

near Liverpool

イギリス海峡近いマーゲイトから、西回りでリバプール、グラスゴー、北の果てのスカイ島へ……。35㎜のモノクロムフィルムで記録された風景には、美しい（写真家らしい目ですくい取った印象深さ）というだけではない、ぴたりとした感触（考え方がはっきりと表れる細部の強固さ）があり、清々しい。
ロードムービーを思わせる切なさ、旅の空の照り降りの楽しさとともに、もはや定義することが難しくなっている「写真」というメディア（アート、表現）の本質に触れるゼラチンシルバープリントの展示です。（W.H.）

写真集『2200 Miles』（蒼穹社 4,000円（税別） 500部限定）

【展示・販売】
■藤原敦プリント作品（ゼラチンシルバー）
展示：約25点
販売：新刊写真集全収録プリント
■写真集『2200 Miles』（蒼穹社 4,000円（税別） 500部限定）
その他、藤原敦写真集

■藤原敦（Atsushi Fujiwara）
写真家。インテリアデザイン会社に勤務後、1989年渡英。帰国後、2005年撮影スタジオ設立、運営。2008年5月、唐仁原信一郎とともに写真誌「ASPHALT（アスファルト）」創刊（2号より編集者・故 長谷川明氏を編集長に迎える。2012年10月に10号刊行をもって終了）。モノクロフィルムによるドキュメンタリー写真で独自の表現を追求している。

■金子隆一（Ryuichi Kaneko）
写真史家、写真評論家、写真集コレクター。元東京都写真美術館学芸員。武蔵野美術大学非常勤講師。日本写真史、特に日本の芸術写真（ピクトリアリスム）を専門とし国内の様々な写真展を企画。主な著書に『植田正治 私の写真作法』（編著）（CCCメディアハウス、2000）、『日本写真集史1956-1986』（共著）（赤々舎、2009）など。