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Where is the Nowhere ---Reading the poetry, diary and movie
ジョナス・メカス特集 故郷はどこに──詩、日記、映画を読む

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all images from “Out Takes from the Life of Happy Man” ⓒ Jonas Mekas

ブックスアンドモダンでは、4月「ジョナス・メカス特集 故郷はどこに──詩、日記、映画を読む」と題してメカス関連本、リトアニア、バルト三国に関する本を特集し、併せて映画2作品を上映します。

3月中旬よりブックスペースにてメカス関連本を取り揃えております。いずれか1冊ご購入いただきますと、映画は無料でご覧になれます(4月25日(土)上映+トークイベント「メカス1991年夏」(小口詩子作品)のみ店頭にて要予約)

本を読んでいる途中も、読了後も、何度でも映画をご覧いただけるように会期を長く、上映回数も多くしています。

また4月25日(土)の「メカス1991年夏」上映後は『ジョナス・メカス ノート、対話、映画』の翻訳者の木下哲夫さんにお話しいただきます。作家をより深く知る機会になることでしょう。
ぜひ、本を読んで、映画をご覧ください。

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■上映日時
[紫色]「Outtakes from the Life of a Happy Man(幸せな人生からの拾遺集)」(2012年 68分)
会期中の(木)(金)(土) 1回目15:30−16:40  2回目17:00−18:10 (※25日(土)は除く)
■上映+トークイベント 先着10名 要予約
[赤]「メカス1991年夏 ニューヨーク・帯広・山形・新宿・リトアニア」(小口詩子作品 1994年 92分)「メカスさんの思い出」by 木下哲夫(翻訳家) 4月25日(土) 上映+トーク 17:00−19:00
[水色] 定休日
■参加チケット
特集関連書籍いずれか1冊ご購入の領収書がチケットになります。会期中何度でもご覧になれます。

■木下哲夫(KINOSHITA Tetsuo)
1950年東京生まれ。京都大学経済学部卒業。パリ第三大学にて英文学を学ぶ。1982年にジョナス・メカスと出会う。メカス日本日記の会(91−)の設立メンバー。訳書に『メカスの友人日記 レノン・ヨーコ・マチューナス』『ジョナス・メカス ノート、対話、映画』『パリ左岸 1940−1950年』(白水社)、『ピカソ』(白水社) 『ムンク伝』(みすず書房)など。

【特集関連書籍】
■『フローズン・フィルム・フレームズ 静止した映画』(1997年 河出書房新社 税別2,000円)
■『ジョナス・メカス詩集』(2019年 書肆山田 税別3,300円)
■『どこにもないところからの手紙』(2005年 書肆山田 税別2,500円)
■『ジョナス・メカス ノート、対話、映画』(2012年 せりか書房 税別4,700円)
■『メカスの難民日記』(2011年 みすず書房 税別4,800円)
■『ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ』
(2019年 フィルムアート社 税別3,500円 ※4月中旬入荷。予約受付中。)
※『ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ』4月中旬、重版刊行予定。ウェブのショップページよりご予約(ご購入)ください。Shop Page
■ 版画掌誌『ときの忘れもの 第5号 ジョナス・メカス/日和崎尊夫』(税別120,000円)

【展示・販売作品】
ジョナス・メカス作品(版画掌誌『ときの忘れもの 第5号』より)
■16㎜フィルムを使用したプリント作品(フローズン・フィルム・フレームズ)
「ジプシーの予言」
「リキテンスタインのモデル」
■シルクスクリーン作品
「わが街ニューヨークに捧げるラブレター」

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all images from “Out Takes from the Life of Happy Man” ⓒ Jonas Mekas

【解説】
ジョナス・メカス(1922−2019)は、リトアニア生まれの詩人、映画作家です。独立系、前衛、実験映画の保存、上映を目的とするアンソロジー・フィルム・アーカイヴズ(Anthology Film Archive, New York, 1969−)の設立メンバーであり、フルクサス(※)などアートムーブメントを通して米国の現代アートを牽引したメカスですが、二十歳代の大半は、ヨーロッパの小国の歴史を映す、戦争と政治の暴虐によって行き場を失った多くの人々の人生そのものでした。

メカスは、祖国リトアニアがナチスドイツの占領下にあった第二次大戦末期、ナチス政権の迫害から逃れるためにウィーンを目指しますが叶わず、ドイツ国内の強制収容所に収監されました。そして1945年5月の第二次大戦の終結、ドイツの敗北後、ソ連邦に組み込まれたリトアニアへの帰国を断念し、難民収容所を転々とした後、1949年10月29日、ニューヨークにたどり着きます。

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all images from “Out Takes from the Life of Happy Man” ⓒ Jonas Mekas

強制労働、難民収容所、渡米、ニューヨークでの苦しい生活、出会い、1950年にボレックス16㎜のカメラを入手してからの歳月日々……メカスは、詩人の矜持をもって克明にノートに書き記していました。
たとえば、『メカス難民日記』には「今日は雪が降っている。とても美しく白一色だ! 雪のない冬など私には考えられない」(1948年1月12日 ドイツ・ヴィースバーデン)、「誰も雪の話をしなかった。雪は降らなかった」(1949年12月26日 ニューヨーク)など、雪についての記述がいくつもあります。

雪への愛しみは16㎜カメラで撮影した映像にもしばしば現れます。雪に輝く歩道、白く覆われた公園、雪の中を歩く子どもたち……。
日記のように撮影し続けたフィルムやビデオには、室内でくつろぐネコ、友人と囲む食卓、家族の横顔、空に浮かぶ雲……メカスの幸せのかけらの数々が、そうすれば消えないものになるかのように記録されています。劇映画とは違ってストーリーのないメカス作品に人々が惹きつけられるのは、激動の中にあっても、そっと、じっと生きる強さと、不意に舞い降りる輝きを捉まえる力を感じるからかもしれません。

書籍『ジョナス・メカス詩集』、『メカスの難民日記』の中のメカス自身による平易な言葉と、作家の背景──リトアニアの自然、農村、戦争、家族、友人、信仰、喜怒哀楽──に触れると、メカス映画の味わいが一段と深まります。本を読んでいる途中でも、読み終わってからでも何度も映画をご覧いただけるように、会期を1カ月として上映回数も多くしています。ぜひ、本を読んで、映画をご覧ください。(W.H.)

(※)フルクサス Fluxus:1960年代にリトアニア系アメリカ人の建築家、美術家のジョージ・マチューナスが主導した芸術運動。アーティストのスタジオやギャラリーが立ち並ぶ街区ソーホーはこの運動によって誕生した。

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