Books and Modern

Overseas

Overseas > Ottawa > July,2014

オタワ便りVol.1
夏はビーチ、冬はスケート──カナルが運ぶ“季節”

text & photos by二谷美和子

夏はビーチ、冬はスケート──カナルが運ぶ“季節”

リドーカナル。ここが冬になると全部凍ってスケートリンクになるって想像できる?

”books and modern” プレオープン、おめでとうございます! カナダから、 このまったく新しいコンセプトのギャラリーの大冒険の始まりを、心よりお祝い申し上げます!

さて、日本は空気が初夏の香りを含んでいるのでしょうね。もう結構暑くなっているのかなあ。こちら、カナダのオタワは、やっと春真っ盛り、になってきました。木々が、柔らかくておいしそうな若葉をたくさんつけています。リスやネコが歩きまわる姿もみられるようになりました。
オタワは、人口80万人ぐらいの、ちいさな街です。カナダっていうと、トロント、モントリオール、バンクーバーとか、あと、赤毛のアンのプリンスエドワード島、ロッキー山脈のバンフ、なんかはよく知られているけれど、オタワはね……。あんまり知られていません。でも、一応首都なのですが。何というか、行政機関が中心の街で(商業の中心はトロント、モントリオール、バンクーバー)、ワシントンD.C.を小さくした街、といったら、感じが伝わるかもしれません。

夏はビーチ、冬はスケート──カナルが運ぶ“季節”

運河の正面に見えるのは、シャトーロリエ、エリザベス女王はじめ、セレブの泊まるホテル。このホテルの後ろで、リドーカナルとオタワ河がつながっています。写真中央は、ナショナルディフェンス(国防省)。右手の建物はオタワ大学。

なかなかかわいらしい街ではあるのだけれど、行政中心だから、あんまりエキサイティングなところではありません。でも、治安はなかなかいいし、静かだし 、勉学や研究 にいそしむには、いい街だと思います(誘惑があんまりないからね)。
オタワ河が国会議事堂のすぐ後ろを流れていて、この河をわたるとケベック州です(オタワは、オンタリオ州にある)。結構大きな河なので、オタワの人たちはこの川岸に“ビーチ”をつくって、夏に海水浴や、ボート、カヤックやカヌーを楽しみます。冬はね、河が凍っちゃう から、そこに穴をあけて釣りをするのだよ。ビーチのすぐそばに建てられたコンドミニアムは、“ウオーターフロント”で人気物件です。
街の真ん中にリドーカナルという運河が流れていて、これもまた冬には凍っちゃうので、みんなスケートを楽しみます。スケートで通勤している人もいます。
カナダ人は、生まれて、歩くより先に氷の上を滑るそうで、まだ小学校にもあがっていないような小さい子たちが、でっぷり太ったおばさんやおじさんが生まれて初めて(かな?)スケート靴をはいてよたよたしている脇を (移民してきた人たちだね、きっと)、ピューっと走り抜けていきます。ここは、全長8キロあまりもある世界最大のスケートリンクで、世界遺産に登録されています。

夏はビーチ、冬はスケート──カナルが運ぶ“季節”

オタワのダウンタウン。カフェから国会議事堂が見えます。

……とまあ、こんな感じで、これからこのコラムで、オタワの人々の暮らしを紹介させていただきます。よろしくお願いいたします!

さて私はここオタワでいったい何をしているでしょう? 徐々に正体を明かしていきますので、乞うご期待。(M)

夏はビーチ、冬はスケート──カナルが運ぶ“季節”

ダウンタウンのアイリッシュバー&カフェ。

夏はビーチ、冬はスケート──カナルが運ぶ“季節”

友人宅。毛のいっぱいある家族たち。

二谷美和子/(旅行中)
横浜生まれ。日・英・仏・猫語を自在に操る教養人。海を越えてはすぐに戻ってくるBooks and Modern店主とは違い、ある日、海を越え、以来たまにしか戻らない。運命に身を任せる達人。

TOPへ

関連記事

overseas_ottawa2_01

オタワ便りVol.2
翻訳のパワーって?
──日本での「赤毛のアン」人気に思う

text & photos by二谷美和子

こんにちは。前回に引き続きオタワからお便りします。 Books and Modern 乃木坂のお店、9月3日にオープンしたそうですね。オープニングパー

read more >>